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スラブ行進曲 Slavischer Marsch |
チャィコフスキー Peter Tschaikowsky |
1876年、トルコとセルビアとの間に戦争が起こった。ロシアは同じスラブ民族であるセルビアを救援したため、遂にロシアとトルコとの戦争になった。モスクワ音楽院長、ニコライ・ルビンシテインは、傷病兵への義援金募集のため、モスクワに赴いて大音楽会を開催することにし、自分の弟子であるチャイコフスキーに上演用の曲を依頼した。チャイコフスキーは翌1877年9月にこの作曲を完了した。これが“スラプ行進曲”で、その年の11月、モスクワで発表された。この曲は、民族の愛国心を高唱した極めて荘厳な曲で、ポピュラー作品の代表的なものである。
チャイコフスキーの音楽は、ロシア的な沈鬱な抒情、極めて洗練された優雅な色合い、官能的な陶酔などを最も大きな特色としている。甘い農饒なメロディは、時には感傷的過ぎる甘味さえも付いている。際立った楽器駆使による音色の効果、肉体的リズム感など、彼の音楽は世界の如何なる人種にも呼ぴ掛ける普遍性を持っている。
永く愛聴されることが、音楽家の偉大さを計る基準としたならば、彼は当時における最高の作曲家と言わなければならない。
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ビアノ協奏曲第20番 Piano Concerto No.20 |
モーツァルト Wolfgang Amadeus Mozart |
“モーツァルト語”っていう言葉(言語?)があるんだそうです。いえ、客演指揮者の河地先生に教えてもらったんですけどね。要するに、楽譜には書いてないけど、「こういう時はこう演奏しなさい」とか、そういう暗黙の了解の様なんですけど・・・どうもそんなに簡単にわかったつもりになったらダメなことの様なんです。先生は、モーツァルトについて本を出版なさっていたり、ヨーロッパに滞在してオペラの研修員として勉強されたりと、大変研究熱心な方なのですが、その先生が以前こんなことをおっしやいました。「モーツァルトの音楽は、確かに単純で色彩感に欠けるように映ることがある。でも、これはモーツァルトの言葉使いを知らないからだ。オペラを知れば、そこには彼の話し言葉があって、どうドラマティックに音符が配置してあり、どう音楽が展開するかが分かる」。まず、オペラを知らないといけないそうです。「彼の語り口は随分変化に富んでいて、時として意地悪だが、しかしとても身近な音楽でもあるんだ。彼が表現しようとしたのは、特別なことではなく、ごく自然な人の感情だからね。でもその語り口が実に美しいから、究極の芸術にまで高まったんだね」。なるほど。モーツァルト語は大事そうです。ところで先生、ピアコンは?「ピアノコンチェルトは彼の“魂の訴え、魂の激情”だ」。
で、今回はピアノ協奏曲第20番を演奏いたします。ピアニストの技術力を誇示する、以前のピアノ協奏曲と違い、より人間的内容が盛り込まれているそうで、その辺りはピアニストの鷲宮先生(←美人)におまかせしてます。協奏曲としてはとても珍しい二短調というすごく暗い調をとってます。しかも冒頭のシンコペーションリズムは心のゆらぎや不安感を表しているそうです。まあ、すごく大人な音楽っていう気がします。
ていうか河地先生ごめんなさい。そんな大人なところは僕たちはほとんど理解できませんでした。スミマセン。
お客様方へは安らかな居眠りをお届けできれば、まだ幸いかと存じます。だって、安心して聞いていられないぐらいどうしようもなかったりしたら・・・。
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交響曲第5番八短調≪運命≫ Symphonie No.5 |
べ一トーヴェン Ludwig Van Beethoven |
ベートーヴェン(1870−1927)の交響曲第5番はベートーヴェンの作曲した交響曲のみならず、すベての交響曲の中で一番有名であろうと言われています。しかし、クラシック音楽に普段接する機会のない方にとっては、それは冒頭部分の「タ・タ・タ・ターン」だけではないでしょうか。そこで、今日初めてこの第5番を最後まで耳にする方のためにこの曲の聞きどころを紹介したいと思います。
交響曲第5番は4楽草(つまり4つの部分)から成っており、そのうち第3楽章と第4楽草は続けて演奏されます。だから実際は3つの部分から成っているように聞こえるでしょう。
第1楽章・・・先ほども述べた「タ・タ・タ・ターン」は第1テーマと呼ばれ、実はこの楽章の冒頭部分だけでなく、音の高さを変えてあらゆる場面で登場してきます。例えばヴァイオリンやフルート、クラリネットがゆったりとした第2テーマを奏でているときでもチェロとコントラバスの大きな弦楽器たちが「タ・タ・タ・タン」と低い音で演奏を繰り返しています。だから耳を澄ましていたり、演奏者の動きをじっと観察してもらえれば、あちこちで「タ・タ・タ・タン」というリズムが聞こえてくるはずです。
第2楽章・・・第1楽章とは一転したのどかな調べを楽しんで下さい。ここでは、第2楽章の第1テーマと第2テーマをいろいろ変化させて演奏する、変奏曲形式が用いられています。ですから、全体的にずっと同じこと繰り返しているように聞こえるかもしれませんが、そこにベートーヴェンが変化を加えているのです。その変化を聴きとれることができれば、この楽章を楽しむことができるでしょう。まずは冒頭のヴィオラとチェロの第1テーマの演奏をしっかり聴いてみてください。後から「同じようだけど、少し違うかも」と思われるところが、きっと変奏の部分です。
第3楽章・・・冒頭はチェロとその背後に位置している、コントラバスに注目です。なぜなら、彼らだけで演奏が始まり、極めて静かだからです。もし、第2楽章の終わったあとに、隣りの人と言葉を交わしていたら、聴きのがしてしまうでしょう。さて、静かな演奏を打ち破るようにホルンが登場します。(第2テーマの登場)このテーマをよく聴いてみてください。第1楽章で延々と奏でられた「タ・タ・タ・ターン」のテーマであることがわかるでしょう。このように、第3楽章においても「タ・タ・タ・ターン」のテーマが隠されています。そして中間部でもう1度、チェロとコントラバスに注目するところがあります。ついで右から左に弦楽器が順々に加わり、さらに管楽器も加わっていきます。こうして徐々に演奏する人数が増えていくことで、昔楽を盛りあげる効果をだしています。
第4楽章・・・第3楽章で音楽がおちつき、ティンパニ以外の動きが止まったとき、それは第4楽章に入ることを予告しています。やがてヴァイオリンとチェロが動き出し、緊張を保ちながら第4楽章に人ります。この楽章はフィナーレにふさわしく最も華やかな場面です。すべての奏者が一体となって演奏しています。しかし突然雰囲気のかわる場面がでてきます。そこでは先に演奏した第3楽章の第2テーマが演奏されます。その意味でも、第3楽章を熱心に聴いてみる価値はあるでしょう。それからこの楽章で初めて登場する楽器がビッコロ(小さい横笛)とトロンポーン(トランペットの右に位置する)です。ここまでベートーヴェンが使わないでとっておいた秘密兵器なので、彼らの動きにも期待してください。(本来ならコントラファゴットという楽器も加えられます)
長々と説明してきましたが、ここまできて本当にわかってもらえるのかとても不安になってきました。ただ、この曲についていわれているのは、“完璧”の二文字なのです。本日は楽器の様々な経験歴をもつ仲間たちが、その二文字にどこまで近づけるかで、ご来場の皆様の満足度を左右します。しかし、少しでも満足してもらえるように、『運命』という表題にとらわれず、のどかな田園風景でもみるような気持ちで聴いてもらうのが、本日の一番よい鑑賞方法かもしれません。
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