滋賀大学オーケストラ
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曲目解説


■歌劇「オベロン」序曲 ウェーバー

 ドイツのロマン的歌劇の創始者であるウェーバーは代表的な傑作「魔弾の射手」を1820年、34才の時完成してベルリンの楽壇の注目を浴び、その後2つの歌劇を作曲した。「オイリアンテ」と「オベロン」である。
 「魔弾の射手」で人気を博したウェーバーは新しい歌劇の作曲を依頼され、彼は、フランスに伝わる物語を素材としてドイツのウィーラントの書いた詩「オベロン」の英訳を選ぶ。台本を青いたブラシェは、かなりの名声を得ていた人だったが、この「オベロン」では台詞が戯曲的内容において不十分であった。ウェーバーは1825年の初めに作曲に取りかかり翌年1月にほぼ完成させた。1826年4月12日、ウェーバーはコヴェントガーデンで初演の指揮を振り、大成功に終わった。しかし、無理がたたり、ウェーバーは初演後2ヶ月たらずで肺病のためこの世を去る。
 序曲は「魔弾の射手」と同様にヴァーグナー風に歌劇中の主要旋律を使ってできているが、当時の慣習に習い、ソナタ形式に従う。そしてロマン的歌劇を暗示する様に、妖精の不思議な世界、熱烈な愛等が如実に描かれ、さらにウェーバーの描写的手法で、暴風雨や難破の様子等が極めて巧妙に示されている。今日では歌劇としては欠点があり、通して上演されることは少ないが、序曲だけはどこの交響管弦楽団でも重要なレパートリーとして演奏され、そこには死期の近づいた人の筆致とは思えない活気があり、管楽器の巧妙な用法がある。


■交響曲第8番口短調「未完成」 シューベルト

 天才の真価は死後に認められることが多いが、シューベルトもその例にもれなかった。彼の芸術に対する尊敬の念が高まるに従って、遺作への探求が盛んに行われた。
 1865年ウィーン音楽協会の指揮者ヨハン・ヘルベッフが、グラーツのアンゼルム・ヒュッテンブレンネルのもとから、「交響曲口短調」の自筆総譜を発見した。この総譜の第1ページに1822年10月30日の日付がしるされている。これより先、シューベルトは宮廷歌手ミヒャエル・フォーグルの伴奏者として、オーストリア西部のリンツとグラーツヘ演奏旅行をしたことがあった。その縁故でシューベルトはグラーツ音楽協会の名誉会員に推された。その感謝の意をこめて、「交響曲口短調」を同会の役員ヒュッテンブレンネルのもとに送ったのである。しかし何らかの都合でヒュッテンブレンネルの文庫に長い間埋もれていた。
 発見者ヘルベックの指揮によって1865年12月17日ウィーンで初演され、永遠の生命をよみがえらしめた。それは「未完成」が書かれてから43年、シューベルトの死後37年のことであった。
 「未完成」は2つの楽章から成り立っている。4楽章制の古典交響曲の形式から見ればまさしく「未完成」であるが、深い悲しみを持った音楽性が完全に表明されている。また「未完成」は、音の中に美しさのすべてが表現されており、旋律の祝福に満たされているが、シューベルト自身の他の作品や歌曲からの影響すらも認められない特異性をも持っている。

第1楽章 アレグロ モデラート
ロ短調 4分の3 ソナタ形式
莱2楽章 アンダンテ コンモート
ホ長調 8分の3 ソナタ形式


■交響曲第1番ハ短調作品68 ブラームス

 ブラームスは20歳頃からの作曲生活の中で、20年もたった1886年43歳の時はじめて交響曲をかいた、しかも4曲だけである。彼の言葉からすると「モーツァルトやベートーヴェンは神様のようなもので、私ごとき普通の人間が、その大きさを背中に感じながら交響曲を書くなんて容易なことではない・・・」と。
 18世紀は古典の時代であったが、1833年に生まれて19世紀をフルに生きたブラームスは、市民文化の芽生えと発展の只中にあり、音楽的傾向と好みとしてはべートーヴェン、メンデルスゾーン、シューマンの系列の血をひいている、それだけに近代人と古典との相克が強かったにちがいない。この第一番がベートーヴェンの9曲に続く「第十番」といわれたり(有名な指揮者ハンス・フォン・ビューローによって)、この曲を代表する第4楽章のテーマが、第九のテーマに似ているといわれた時は、さすがむっとしたのか「愚かな人には同じとしかきけない・・・」と反発している。
 しかし何といわれようと、この曲はプラームスそのものである。全篇を通して規模は壮大であるが、決してきらびやかな派手さはなく、終始渋い色調に彩られている。長年熟成した想いが各章のテーマとなって、決して激することなく表現され、ブラームス独特の作法は各所にみられる。個性ゆたかなこの曲が、古今の名曲のトップにあげられることは異論をまたない。

第1楽章 ウン ポコ ソステヌート − アレグロ
ハ短調 8分の6拍子
第2楽章 アンダンテ ソステヌート
ホ長調 4分の3拍子
第3楽章 ウン ポコ アレグレット エ グラチオーソ
変イ長調 4分の2拍子
第4楽章 アダージョ − ピゥアンダンテ − アレグロ ノン トロッポ マ コンブリオ
ハ短調−ハ長調 4分の4拍子