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| ★序曲「エグモント」作品84 |
L.V.ベートーヴェン |
ゲーテの悲劇<エグモント>は、“16世紀フランドルの貴族エグモント伯が、スペイン王フィリップU世の圧政から祖国を救わんと戦うものの、捕らえられて死刑をこ宣告される。愛人クレールヘンは、彼を救い出そうとするが失敗して自殺する。しかし、その幻影は自由の女神となって獄中のエグモントを大いに勇気づける。”というストーリーを持つものである。
1810年のウィーンのブルグ劇場の支配人から、この劇を上演する際の音楽を依頼されたベートーヴェンは、計10曲に上る劇音楽を作曲している。なかでもこの序曲はもっとも有名なもので、演奏される機会も多い名作である。仙は、ソステヌートマ・ノン・トロッポの導入部とアレグロの主部(ソナタ形式)によって構成されており、コーダでは壮大なクライマックスが作られる。
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★ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219 《トルコ風》 |
W.A.モーツァルト |
モーツァルト(1756−1791)は、1775年、19歳の年にいわゆる「ザルツブルグ協奏曲と呼ばれる5曲のヴァイオリン協奏曲を作曲した。このときの最後の作品にあたるのが第5番イ長調である。第3楽章の副主題にトルコ風のリズムをもつ楽想が用いられていることから、しばしば《トルコ風》の名で呼ばれることもあるが、そうした題名とは別に、5曲中もっとも充実した、広く知られた作品である。全体的には前の4曲の協奏曲の延長線上にある曲だが、ここでモーツァルトのいくつかの新しい試みがみられる。
そのひとつは、第1楽章の管弦楽の主題提示部のあと、すぐに独奏ヴァイオリンによる主題提示部に入らないで、独奏によるアダージョの序奏を置いていることである。これは新しい試みであるし、その効果も見事である。そのために第1主題は管弦楽部には正規の形では現われず、独奏ヴァイオリンの主題提示部になって初めて完全な形で現われるようになっている。
次に第3楽章は一応ロンドとなっているが、形は古いメヌエットの様式を導入しており、トルコ風のリズムをもつイ短調のアレグロが中間部も形式しているとみられる。その点ロンド風な性格を残しながらも3部形式のメヌエット風なまとまりをもつ特色ある様式で書かれている。
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| ★交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」 |
A.ドヴォルザーク |
- ■第1楽章
- ソナタ形式で、まずゆったりとした序奏部から始まる。チェロが息の長い神秘的なモティーフを歌いだし、木管と金管が加わって次第に明るく大きく発展していき、ティンパニの強打とともに短い頂点を築く。主部に入ると2拍子に変わり、男性的でたくましい第1主題がホルンに現れる。その後大きく広がり、次のフルートとオーボエによって歌われる第2主題は、その後すぐに示されるフルート独奏のエキゾチックな旋律とともに、黒人霊歌の旋律をもととしたものだと言われている。そして、展開部は第1主題を中心として豪快に展開し、そのまま再現部へと進み、最後は歯切れのよい和音で閉じられる。
- ■第2楽章
- 全曲を通じてもっとも有名な楽章である。曲は6小節の序奏があってからイングリッシュ・ホルンがあの有名な主要主題を歌い出す。一抹の哀愁とあやしい美しさをたたえたこの主題は、新世界の田園詩ともいうべきもので、《家路》として知られている。この主題が終わると、表情はさらに暗くなり、フルートとオーボエに3連音符の副主題が悲しげに現れる。この哀切きわまりない旋律は、祖国を離れた移民たちの郷愁の気持ちを感じさせる。最後は、再び主要主題がいくぶん変形して繰り返され和やかな気分のうちに終わる。
- ■第3楽章
- 短い活気ある序奏があった後、フルートとオーボエにスケルツォの主題が現れる。これは、ポヘミヤの農民たちが踊る素朴な民族舞曲を思わせるもので、躍動する弦楽器群のリズムと高鳴るティンパニの音は、次第に高揚して楽しい気分となる。最初のトリオに入ると、調性はホ長調に変わり、テンポもゆるやかになって、フルートとオーポエが主題を歌う。この後スケルツォの主題が反復された後にいわゆる第2トリオでは、いかにもドイツ風の旋律が木管に示される。そして最後は、もう一度スケルツォの主題が繰り返されて、力強く結ばれる。
- ■第4楽章
- 強い全合奏による短い序奏の後、トランペットとホルンが力強く第1主題を高らかに鳴らす。これが静まると、女性的なやさしさをもった美しい第2主題がクラリネットで示され、低弦に受縦がれて和やかな雰囲気となるが、突然、第3楽章のスケルツォの主題が現れて、その静けさを打ち破る。展開部は第1主題を中心としたものであるが、このほかに第1、第2、第3楽章の主題が次々と反復される。これは、各楽章の主題を再現させることによって全楽章を有機的に結びつけようとしたのである。再現部は、第1、第2主題が変化しながら大きく発展し、コーダでは、全曲を通じて白眉ともいうべき、豪快きわまりないクライマックスを築く。
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